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茅田砂胡/著
、中央公論新社
価格:945円

作者が自分のキャラを使うパロディ小説シリーズの新装開店版。圧倒的なキャラ立ちで、もはやお話の作りさえある程度しっかりしていれば(そしてこの作者はそういうところで絶対に手を抜かない)、なにをやってもおもしろい、という状態ではある。とにかく、デルフィニアに始まるこのシリーズは、昨今出版されているファンタジー、ラノベ、まあジュブナイルと総称される界隈のなかでもトップクラスの「お話の醍醐味」を感じさせてくれるので、読んで損はないです。強烈にキャラが立ってる長編にありがちな「いいヤツらてんこもり」の偽善ちっくな感じが嫌いな人はともかく、ふつうに小説を楽しみたい人にはおすすめ。デルフィニアの一巻から、ぜひ読んでください。
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あずま きよひこ 著
、メディアワーク
価格:630円

お話というものが、もし「ここではない世界」を成立させることを目的としているのならば、史上空前といっていいほどの傑作かもしれません。俺は、これほどよく考えて作られたお話を、あとはひかわきょうこの初期から中期の短編たちくらいしか知りません。ことさらにテーマ性なんかなくても、大きなお話のうねりなんかなくても、ただ「描かれる世界」に愛着をもって、けれど作品世界を俯瞰できるだけの一定の距離をとって、丹念に、丹念に描くだけで、作品世界は成立しえます。あまりに丁寧に作られた魅力的な作品は、ただその世界で人が生きる姿を眺めているだけで、おのずと読者の内部にテーマを発生させると思う。俺は自分以外の人間を尊敬することはまったくない人間ですが、それでもこの作者には敬意を表したいと思います。異論はあるかもしれないけれど、この異常なまでの完成度だけで、マンガの歴史に残っていい傑作だと思う。
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